ナニモノでもない建物
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空間をもっとクリエイティブに!もっと自由であっていい!
CREARTHの思いを、本社事務所の建物を通じてご説明します。
「カフェ?お家?美容室?お花屋さん?事務所?・・・え、何屋さん?」
前を歩く方々は、不思議そうに中の様子を伺いながら、通り過ぎて行かれます。
枠にはまらない自由なこの建物。
どのようにも解釈できるボーダーレスな柔軟性こそ、多数の店舗や事務所の改装工事も手がけるCREARTHの真骨頂。
「日本の家」という既成概念にとらわれず、家づくりはもっと自由であっていい。
「カフェ風」の家はすでに色々出回っています。しかし、靴を脱いで上がる日本的な造りだと、どうしてもそれ以上は超えられない。「〜風」の域に収まります。
玄関を開けたときの「オォォーッ!!」という感動をつくるには、例えば思い切って玄関はなくてもいい、靴で過ごすのもありだという風に考えます。
海外の住宅からもヒントを得て、友人を呼びたくなる、子どもも自分の家を自慢したくなる、楽しくてかっこいい自由な家づくりがCREARTHの理念です。
この建物には、家の機能は揃っているので、このまま住むことができます。
さあ、どうぞ中へお入りください。
実は木造。壁紙を一切使っていません
扉を開けた途端、心の景色が入れ替わります。
玄関ドアを開けたときの圧倒的な開放感。ほとんどの方がまず天井を仰ぎます。くるっと全体を見回して深呼吸、そして目線を足元へ。さて、靴はどこで脱げば…?
さっそく家の常識を覆されるのがここ、玄関です。「お邪魔します」「こんにちは」も言い忘れて、ただ感嘆詞が出る、そんな瞬間です。
この建物は、木造軸組(在来)工法で建てています。日本の住宅では最も広く一般的な工法です。
そして、壁紙を一切使っていません。どのような仕上げなのか。詳しくご説明します。
住む人をかっこよく引き立たせるモルタル塗り壁
この建物のベースとなるのは、自社オリジナルのモルタル塗り壁。
職人さんとお互い手探りのなか、何度も調合を変え、道具を変えて塗り続け、両者が微妙なニュアンスを共有し、理想とする濃淡と陰影が緻密に再現されるまで、試行錯誤の連続でした。
独自の配合とコテ使いが功を奏した、デザイン性の高いモルタル壁はCREARTHの顔に。調合のノウハウは門外不出です。
商品として完成するまで、職人さんとCREARTHは絵画と対峙するように、壁自体にかっこよさを追求してきました。
いざ空間として仕上がったときに気づいたことがありました。
陰影と濃淡が独特の揺らぎとなって、壁が、そこにいるヒトやモノをかっこよく見せる作用があることに。
カメラのファインダー越しに空間を覗けば、被写体はさらに存在感を増し、肉眼で見る以上に輪郭を際立たせて、いきいきと映し出す作用があることに。
「映え」の働きに、モルタル塗り壁の底知れぬ奥行きを思い知ります。
テーマパークの夢の世界を現実にするモルタル造形壁
入ってすぐ目に飛び込んでくる純白の漆喰塗りレンガ壁。西洋のお城を思わせる重厚で堅牢な壁も、澄み切った白が軽快な印象を与え、絶妙なバランス加減で室内におさまっています。
レンガと白漆喰に見えるこのデザインは「モルタル造形」によるもの。
モルタル造形とは、硬化前のモルタルを彫刻し、特殊塗装でレンガや石、木を本物そっくりに再現する技法をいいます。
中世ヨーロッパの街並み、洞窟、お城、どんなものでもかたちにできる注目のこの建築装飾技法は、米国の某テーマパークから始まり、最近では一般住宅にもすそ野が広がっています。
館内には計3パターンの造形壁があります。造形モチーフとして使われることの多い古木、石組み、重厚な扉、レンガ組みの施工例をご覧いただけます。何百年も前からあったような圧倒的な佇まいを、じかに触れてお確かめください。いずれも某テーマパークの造形物と同じ施工方法で、風雨に晒されても問題のない頑丈な造りです。外構、外壁レベルの強度とお考えください。
デザインは自由自在。海外旅行の思い出の場所、大好きなあのアトラクションの建物…これまで心で思い描いてきた世界が、これからの暮らしの風景に変わります。
これぞブルックリン!重厚とカジュアルを両立させるレンガ壁
形は不揃い、色はまだら、凹凸のあるざらっとしたテクスチャー。
ひとつひとつ違うレンガを、夜スポットライトで照らすと、昼間の表情が一転、凹凸が際立ち、幻想的なゆらぎを放ちます。
ただぼんやりと壁面を見つめるだけで心が満ちていく贅沢。
今日一日をゆっくり振り返り、気持ちを穏やかに整える。
壁紙はもちろん、一般的な単色均質のレンガ張りでも生み出せないこの空気、この時間。
夜が楽しみになる壁です。
自宅はまるで赤レンガ倉庫レストランバー。普段のごはん、お酒がよりおいしく感じられ、団らんの時間も弾みます。
1階レンタルスペースはグレー系レンガ×ロゴペイント、2階事務室は赤茶系レンガ×英文字ペイント、2パターンをご覧いただけます。
この建物では、セメント系ブリックタイルを張っています。重いレンガを積み上げるよりも、荷重が少なく、施工性がよいメリットがあります。
素材はただ漫然と並べているのではありません。全体のバランスを見ながら、一枚ずつ色形を見極め、適した場所に張っています。均質なタイルであれば、誰が並べても概ね同じになりますが、箱を開けると個々に全て違う素材です。
職人技と現場監督の目の効かせどころです。
ヴィンテージ仕上げの露出配管、スイッチ
無骨な空間に外せないのが金属の露出配管。本来は壁・天井裏に収める電気・空調設備・給排水の配管は露出させ、工場や倉庫のように仕上げています。
スイッチプレート、コンセントプレートに至るまで、見える部分はすべてエイジング塗装を施し、新品キラキラのメタリックな輝きを封じ込めて、鈍い光を放つヴィンテージの世界に変換しています。
新品はきれいな状態で、そのまま使いたい方もいるでしょう。それをわざわざ汚し、古びた感じにするのはなぜでしょう。
インダストリアル・ブルックリンスタイルと呼ばれるインテリアスタイルは、長く工場や倉庫として使われていた空間の元の味わいを残し、古いものを活かして楽しむスタンス。
人が古いものに惹かれてしまうのは、理屈を抜きに、落ち着きや懐かしさを求める本能的なものかもしれません。
新品時は画一的だった製品も、経年変化で個々に違った美しさが宿っていくように、CREARTHは、エイジングを「個性を吹き込む作業」だと考えます。
人間も同じで、歳を重ねた分、深みが増す。
新品から長く使い込んだ末に現れる本物の古さがベストといえばそうですが、何十年待っている時間はありません。
そこを職人の技量と化学(塗料)の力で凌駕するというわけです。
外見はヴィンテージでも、取り付けているのは新品です。耐用年数が短くなるわけではありません。ご安心ください。
こだわりの差し色、CREARTH ネイビー
黒、グレーに程よく馴染み、品良く目立つのがネイビー色。無彩色空間の差し色として、CREARTHスタイルのリノベーションの現場に多用しています。
この建物内では1階トイレのドア、2階事務室のドア、2階の壁一部(写真)に使っています。塗料メーカーで特別に調合していただいているこのネイビーは、コーポレートカラーでもあり、クリアースネイビーと呼んでいます。
ネイビーは視線を奥へ引き込む作用があり、空間をより広く見せてくれる効果があります。
こだわりは家具、天井、床、らせん階段…まだまだあります
空間をさらに格上げしてくれるのが、造作家具。建物と家具を同じ職人さんが作ることで、トータルコーディネートが実現します。
例えば、新作のモルタル仕上げの天板テーブルは、お料理が映える!器が映える!意外な素材と質感で話題をさらえます。
気持ちよく水拭きでき、デザイン性と実用性を兼ね備えた、使い勝手の良いモルタル家具です。
このほか、レッドシダーの柾目だけを選りすぐって張った贅沢な天井、
日本の住宅では数少ないモルタル床、
モルタルの質感に馴染むキッチン、
1階と2階ではまるで表情の違うスチールらせん階段…
語り尽くせない見どころがあります。
本社事務所(奈良市般若寺町)は、モデルハウスK-LABO® base(奈良市紀寺町)から
奈良公園を抜け、東大寺の前を通って、車で約12分。
ご見学自由です【平日9:00~16:00】